王子様の溺愛【完】※番外編更新中
付き合うようになってからほぼ毎日一緒に帰っている。
付き合う寸前に発覚したことだが、依人は自宅から徒歩十分ほどの距離にあるマンションに住んでいた。
学校からは依人の自宅が近いが、依人は例外なく縁の自宅まで送り届けてくれる。
(最近暑いから汗かいちゃうな……)
背中を伝う汗に、縁は汗のにおいがしてないかと気になってしまう。
そこで少し距離を置こうと、繋がれた手を解いてみた。
「駄目」
しかし、一度離れた手はまた繋がれた。
「俺の許可なしで離れるの禁止」
依人は離さないと言わんばかりに指を絡めて、恋人繋ぎをする。
「だ、だって、汗かいちゃってるから……においとかっ」
(あの、手が……っ)
縁が夕日に負けないくらい真っ赤な顔で慌てふためくと、依人は目を細めて破顔した。
「先輩……?」
(どうして、笑っているの? テンパっているから?)
不安げに依人を見つめていると、不意に依人の顔が近付いてくる。
そして、唇が縁の髪に一瞬だけ触れた。
「今の……っ」
「本当に縁は可愛くて参るよ」
依人は眉を下げて困ったような笑みを浮かべた。
「か、かわ……!?」
例えお世辞だとしても、好きな人に可愛いと言われて動揺せずにいられる訳がない。
縁の鼓動は早鐘のように打ち続けていた。
付き合う寸前に発覚したことだが、依人は自宅から徒歩十分ほどの距離にあるマンションに住んでいた。
学校からは依人の自宅が近いが、依人は例外なく縁の自宅まで送り届けてくれる。
(最近暑いから汗かいちゃうな……)
背中を伝う汗に、縁は汗のにおいがしてないかと気になってしまう。
そこで少し距離を置こうと、繋がれた手を解いてみた。
「駄目」
しかし、一度離れた手はまた繋がれた。
「俺の許可なしで離れるの禁止」
依人は離さないと言わんばかりに指を絡めて、恋人繋ぎをする。
「だ、だって、汗かいちゃってるから……においとかっ」
(あの、手が……っ)
縁が夕日に負けないくらい真っ赤な顔で慌てふためくと、依人は目を細めて破顔した。
「先輩……?」
(どうして、笑っているの? テンパっているから?)
不安げに依人を見つめていると、不意に依人の顔が近付いてくる。
そして、唇が縁の髪に一瞬だけ触れた。
「今の……っ」
「本当に縁は可愛くて参るよ」
依人は眉を下げて困ったような笑みを浮かべた。
「か、かわ……!?」
例えお世辞だとしても、好きな人に可愛いと言われて動揺せずにいられる訳がない。
縁の鼓動は早鐘のように打ち続けていた。