王子様の溺愛【完】※番外編更新中
その後、依人、縁の順番でお風呂に入った。
お互い「お先にどうぞ」と譲らなかったので、最終的にじゃんけんで決めた。
浴室も例外なく豪華の一言に尽きた。
自宅より広い円形の浴槽はジャグジーが付いていたり、アメニティグッズは海外ブランドの高そうなものだったり、そこからも夜景を楽しめたり。
ただの高校生には恐縮してしまうほどだった。
お風呂から上がり、持ってきたパジャマに着替えると、依人にプレゼントをまだ渡していないことを思い出した。
(危ない、忘れるところだったよ。渡さなきゃっ)
縁は浴室を後にすると、鞄を開けて、ブランドのロゴが付いた袋に青いリボンでラッピングされたものを取り出した。
「先輩」
プレゼントを手にリビングへ向かい、ソファーに座って寛いでいる依人に声をかけた。
「暖まった?」
「はいっ。あの、あたし先輩にプレゼントを用意しました」
「俺に?」
依人は驚いたのか、綺麗なアーモンド型の瞳を丸くさせた。
「受け取ってくれますか……?」
緊張した面持ちで依人の顔を見つめると、目を細めて破顔した。
「勿論縁からは受け取るよ。俺も縁に用意したから交換しようか」
「はいっ。ありがとうございます」
「俺こそありがとう」
こうして二人はプレゼントの交換会を始めた。
まずは縁から。
依人がラッピングを解くと、深い茶色の革の薄型のキーケースが出てきた。
「キーケース?」
「はい。シンプルで先輩に似合いそうだなって……使ってくれたら嬉しいです」
「ありがとう。早速使わせて貰うよ」
依人は早速、キーホルダーを付けただけの家の鍵をそれに付けた。
「嬉しいな。大事にするよ」
(気に入って貰えたって思っていいかな?)
縁は依人の態度を見て、ほっと肩を撫で下ろした。
「今度は俺から」
次は依人が縁に淡いピンクの小さな袋を差し出した。
(なんだろう……)
縁は生まれて初めての彼氏からのクリスマスプレゼントにドキドキしながら、ラッピングを解いていく。
「わぁ……っ」
中から出てきたものに縁は思わず感嘆の声を洩らした。
依人からの贈り物は、シルバーの雪の結晶のチャームが付いた栞だった。
「可愛いです……!」
縁から花が咲くような笑みが零れ落ちる。
「気に入ってくれて良かった」
「ありがとうございますっ。一生大事にしますね?」
縁は栞を壊さぬように抱き締めると、にこりと微笑みながら言った。
「今度はもっといいものを贈るね」
「へ? 今のでも充分いいものですよ?」
「いいから、その時まで楽しみにしててよ」
「はい……」
依人は縁の肩を優しく抱くと、甘く囁いた。
縁は無性に嬉しくなった。
それはプレゼントを贈ると言われたからではなく、依人との未来がまだあると実感出来たからだ。
お互い「お先にどうぞ」と譲らなかったので、最終的にじゃんけんで決めた。
浴室も例外なく豪華の一言に尽きた。
自宅より広い円形の浴槽はジャグジーが付いていたり、アメニティグッズは海外ブランドの高そうなものだったり、そこからも夜景を楽しめたり。
ただの高校生には恐縮してしまうほどだった。
お風呂から上がり、持ってきたパジャマに着替えると、依人にプレゼントをまだ渡していないことを思い出した。
(危ない、忘れるところだったよ。渡さなきゃっ)
縁は浴室を後にすると、鞄を開けて、ブランドのロゴが付いた袋に青いリボンでラッピングされたものを取り出した。
「先輩」
プレゼントを手にリビングへ向かい、ソファーに座って寛いでいる依人に声をかけた。
「暖まった?」
「はいっ。あの、あたし先輩にプレゼントを用意しました」
「俺に?」
依人は驚いたのか、綺麗なアーモンド型の瞳を丸くさせた。
「受け取ってくれますか……?」
緊張した面持ちで依人の顔を見つめると、目を細めて破顔した。
「勿論縁からは受け取るよ。俺も縁に用意したから交換しようか」
「はいっ。ありがとうございます」
「俺こそありがとう」
こうして二人はプレゼントの交換会を始めた。
まずは縁から。
依人がラッピングを解くと、深い茶色の革の薄型のキーケースが出てきた。
「キーケース?」
「はい。シンプルで先輩に似合いそうだなって……使ってくれたら嬉しいです」
「ありがとう。早速使わせて貰うよ」
依人は早速、キーホルダーを付けただけの家の鍵をそれに付けた。
「嬉しいな。大事にするよ」
(気に入って貰えたって思っていいかな?)
縁は依人の態度を見て、ほっと肩を撫で下ろした。
「今度は俺から」
次は依人が縁に淡いピンクの小さな袋を差し出した。
(なんだろう……)
縁は生まれて初めての彼氏からのクリスマスプレゼントにドキドキしながら、ラッピングを解いていく。
「わぁ……っ」
中から出てきたものに縁は思わず感嘆の声を洩らした。
依人からの贈り物は、シルバーの雪の結晶のチャームが付いた栞だった。
「可愛いです……!」
縁から花が咲くような笑みが零れ落ちる。
「気に入ってくれて良かった」
「ありがとうございますっ。一生大事にしますね?」
縁は栞を壊さぬように抱き締めると、にこりと微笑みながら言った。
「今度はもっといいものを贈るね」
「へ? 今のでも充分いいものですよ?」
「いいから、その時まで楽しみにしててよ」
「はい……」
依人は縁の肩を優しく抱くと、甘く囁いた。
縁は無性に嬉しくなった。
それはプレゼントを贈ると言われたからではなく、依人との未来がまだあると実感出来たからだ。