短編集(その他)
私服ですよ!!し・ふ・く!!!

俺の夢その1が目の前で叶ってるわけで・・・。

「・・・でこの式が解けると同時にこっちの・・・・・・」

―ドカッ―

それはそれは鈍い音だった。

「おまっそれ辞書」

グラグラする頭を抑えながら悶える。

「目、覚めた?」

涼しげな顔の彼女。

「いい加減にしとかないと、2学期から知らないよ?」

「・・・」

「そりゃ、勉強嫌いなのは知ってるけど」

「・・・」

「自分から言い出したことなのに・・・って、コラッ!どこみてんの!!」

慌てて顔を上げると、そこには拳を硬く握り締めた彼女の姿が・・・。

徐々に前のめりになってる君の、見えそうで見えないのを覗こうとしてました。なんて、口が裂けても言えるわけがない。

そんなことを言えば俺の春は終わる。

いや、生命の終わりだろう・・・。
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