短編集(その他)
「ホンットに悪かった。ごめん!!」

彼女を拝むようなかたちで必死に手を合わせる。

しばらくの沈黙が流れた。

図書室のクーラーがやけに涼しい。

「・・・わかった」

彼女は一言だけ喋ったかと思うと、早々に机の上の荷物たちを片付けていく。

「・・・へ?」

全ての荷物を鞄に綺麗に詰め込むと、彼女は言った。

「だから、涼の気持ちはよくわかった!もう勝手にすればいいじゃない!!」

勢いよく大きな音をたてて閉まる図書室のドア。

もちろん俺は取り残された・・・。
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