短編集(その他)
「見なれた人が来てるよ」

振り返らずに翔は言った。

「わかってる。でも振り向いてなんてやんない」

「いじっぱりだな」

苦笑しながら、翔は私の肩に手を回した。

「やるならとことん。だろ?」

そう言うと、ゆっくり顔を近づけてきた。

「馬鹿なこと言わないでよ。だって翔は―――――」
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