短編集(その他)
「・・・弟さん?」

「うん」

「初めまして。弟の翔でーす」

「あ、あれ?」

「悪ふざけしてごめんね」

「あ、う、うん・・・」

「俺からもごめんなさーい。どうしても姉さんが―――」

―パシッ―

彼女が勢いよく翔君の口を押さえた。

「だって、こうでもしないと私に真面目になってくれないと思って」

真っ赤になりながら彼女は言う。

ツンデレってこういうことですね。

「俺こそごめん。不真面目すぎた・・・」

「ううん。夏休みだもんね」

「あーえーっと・・・もしもーし」

ダメだ。

完全に2人の世界。

「少しぐらい遊びにも行こうね」

「おう」

口に当てられた手が少しずつずれてきて何とか喋れるが・・・。

このバカップルは聞く耳を持たないだろうな。

公道と言うのを忘れイチャつくバカ2人。

もちろん、俺は先に帰ることにした。








そのうち周りがザワついてきたら、イチャつくのをやめるだろうし・・・。

俺はほくそ笑みながらその場からゆっくりと離れた。
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