短編集(その他)
夜―――

「ただいま」

玄関で姉さんの声と、パタパタと靴が落ちる音がする。

俺はリビングのドアを開けて姉さんを迎えた。

「おかえり。遅かったね」

「誰かさんがそっと放置してくれたからね」

「嫌味なんだか、本音なんだか・・・」

「あら、どっちもよ」

ふふっと姉さんが笑う。

「姉さんが元気ならいいや」

つられて俺も笑顔になった。

「ご飯は?」

「今から作る」

「んじゃ、荷物置いたら手伝うね」

そう言って姉さんは部屋への階段を上がって行った・・・。
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