短編集(その他)
分かれ道・完
少女は私に

「反対だ。」

と言った。

私は少女に

「何が反対なんだ?」

とたずねた。

すると少女は笑った。

笑って、また

「反対だ。」

と言った。

私はしぶしぶ来た道を引き返すことにした。

ようやく初めの道まで戻ってくると、遠くのほうで

「まだ来ちゃだめだよ。お父さん。」

と懐かしい声がした。
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