【11/7改訂版】お願いダーリン! ~大好きな上司に片思い~
そのまま、肩を叩いた手を町田の大きな手で包まれて、ドキドキと胸の音が大きくなり顔が熱くなるのを感じた。

「初めて少し俺の事意識してくれたみたいでよかった。結花ちゃんに声を掛けても、千香ちゃんは結花ちゃんの心配しかしないからさ。俺としては少しぐらい嫉妬してほしかったんだけど」

握っていた手を離して、追い打ちをかける様に町田は千香の頬にそっと触れた。
あまりにも真面目な瞳に千香は言葉を発することができず、ただ町田を見つめ返した。

「そんな顔しないで。まあ、俺も男としてこれからはみて」
町田はニコッと笑うとスッと触れていた手を戻し、机の上で手を組んだ。
「あ……えっと……でも……はい」
確かに軽いとは思っていたが、それは自分に対して軽かった事に気づき、千香は急に意識しだした自分を懸命に落ち着かせていた。

「ちなみにさっきも結花ちゃんにキスしてないからね。俺にとっては結花ちゃんは千香ちゃんの友達だから。まあ、妹みたいで可愛いけど」

「……はい」

そこまで回想して千香はハッとして千香を見た。
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