【11/7改訂版】お願いダーリン! ~大好きな上司に片思い~
「頭痛どうだ?夜中かなり辛そうだったけど」
晃の心配そうな瞳に、結花は内心焦りながら体温を測り終える。
「あっ大丈夫みたいです。本当にすみません。ご迷惑かけて」
ようやく今の状況を理解して、図っていた体温計を見せながら慌てて頭を下げた。
「37度3分か……。まだ完全じゃないな……」
体温計に視線を落とし、ため息交じりに言った晃に、結花は慌てて否定の言葉を発した。
「これくらいならもう大丈夫です。でもどうして私ここに?」
「覚えてないのか?昨日フロアで倒れたんだよ。悪かったな。お前の体調も確認せずに、仕事やらせて」
晃の申し訳なさそうな顔を見て、結花は頭を振った。
「いえ、こちらこそ体調管理できてなくて……すみません。待っていてくれたんですよね?終わるの」
「まあ、一応上司だからな」
少し照れたように言った晃に、結花の心が温かくなる。
「本当にありがとうございました」
嬉しくなって少しだけ勇気が出る気がして、結花は晃に笑顔を向けた。
「はい、はい。いいよ。朝飯食べられるか?食べたら、家に送って行ってやるから」
「いいんですか?朝食まで……」
「ここまで面倒見たら一緒だよ」
言葉とは裏腹な晃の笑顔に、結花はホッとしつつ昔ずっと言っていたセリフを久々に言ってみる。