【11/7改訂版】お願いダーリン! ~大好きな上司に片思い~
(いやだ。こんな自分)

結花は慌てて踵を返すと、席に戻った。
「結花ちゃん?」
「小松?」
同時にかけられた言葉に結花はドキッとした。

(冷静に冷静に。こんな自分を知られたら嫌われちゃう!こんな嫌な自分はダメ!)

なんとか、結花は自分に言い聞かせると、ゆっくりと息を吐いて笑顔を作った。

「塔子さん、何か飲みますか?主任も」
「うわ、結花ちゃんありがとう!じゃあコーヒーよろしく」
「俺も」
「はい!」
結花はニコリと笑顔を向けると、その場を後にした。

「塔子、お前かわらないな」
「晃もかわらないよ」
そんなふたりの会話を後ろに聞きながら、結花はキュッと唇を噛んだ。

「小松?どうしたの?」
ふと、ぼんやりと給湯室でコーヒーを入れていると、後ろから声を掛けられて結花は振り向いた。
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