【11/7改訂版】お願いダーリン！ ～大好きな上司に片思い～

晃はそんな結花の気持ちに全く気付くことなく、久しぶりにあった塔子との会話に夢中になっているようだった。

「小松！今日は久しぶりに、塔子が帰国してるから同期で飲みに行くからもうあがるぞ」

なんとか、仕事に集中してその事を考えないようにしていた結花だったが、その言葉に心臓が潰れるような気がした。

「はい。おつかれさまです」
晃に目を向けることなく、結花はその言葉を発すると、

「おい、お前も早くあがれよ？」
ふいに優しい声を掛けられ、結花は涙が流れ落ちそうになるのをなんとか耐えると、「はい」と返事を返す。

「小松？お前調子悪いのか？大丈夫か？」
見当違いの問いに、結花は何もいう事ができずただ首を振った。

「おい、晃！行くぞ！」
町田の呼ぶ声が聞こえ、結花はなんとか笑顔を張り付けた。

「早く行ってください」
「ああ」

一度も結花は晃を見ることなく、結花は送り出した。

（同期で集まるだけ。でも……塔子先輩は晃さんが、あんなに好きだった人……）
その事実が結花の心を暗闇に引きずり込んでいった。