【11/7改訂版】お願いダーリン! ~大好きな上司に片思い~
晃さんにはまだ確定するまで言っていない。
喜んでくれるといいな。
そんな事を思って、診察室から出ると私は見覚えのある人に驚いて声を上げた。
「塔子先輩?」
そこにいたのはお腹の大きな塔子先輩だった。
「結花ちゃん?うそ!」
嬉しそうに笑う塔子先輩は相変わらずきれいで、輝いていた。
しあわせなんだな。そんな事をおもいながら塔子先輩に近づく。
「先輩!どうしてここに?偶然ですね」
「本当ね。私は見てのとおりよ?日本で出産しようと思ってるの」
その言葉通り、もういつでも生まれそうな大きなおなかを愛しそうに触れる。
「おめでとうございます」
「ありがとう。そう言う結花ちゃんも?」
「はい」
柔らかな笑顔を向けられ、私も自然と笑みが零れた。