【11/7改訂版】お願いダーリン! ~大好きな上司に片思い~
「そっか、お互い妊婦だね。結花ちゃんもがんばって。お腹大きくなるのも大変よ」
妊婦としても先輩の塔子の言葉に、私は大きく頷いた。
「塔子」
そこへ後ろから聞こえた声に、私は振り返った。
「だいちゃん」
アメリカ支社の副社長など、めったに会う機会もなければ雲の上のような人だ。
大人の魅力満載で、色気すら感じるその人を私はポカンと見上げた。
「あれ?君は……」
副社長も私に気づいたのだろう。塔子さんがニコリと笑う。
「晃の奥さんの結花ちゃん」
「ああ、君が。結婚式にでられなくて悪かったね」
「とんでもない!」
アメリカにいるのにわざわざ電報をくれただけでも私は感謝でいっぱいだった。
「結花ちゃんも妊婦さんなんだって」
「そうなんだ。おめでとう」
仕事の時とは違う、やわらかい笑顔を向ける副社長は本当に塔子先輩が大切という事がひしひしと伝わる。
なんだか晃さんに会いたくなった。
「塔子先輩、じゃあ私行きますね。また赤ちゃん生まれたら教えてください」
私は立ち上がると、二人に頭を下げた。
「もちろんよ。しばらく日本にいるから。晃にもよろしくね」
その言葉に私は大きく頷いた。