【11/7改訂版】お願いダーリン! ~大好きな上司に片思い~
「適当に座って」
なんとなく落ち着かない気持ちで、千香はソファーにちょこんと座ると、何をしていいかわからずきょろきょろと周りを見渡した。

「何も面白いものはないよ」
そう言って千香の前にコトンと湯気のあがるカップを置くと、町田も千香の横に座った。
「ココア。いい?」
「はい」
「ココアなんてあるんだって思ったでしょ?」
考えていたことを見透かされて千香は慌てて町田を見た。
「意外に好きで飲むんだよ」
クスクスと笑った町田に、少し安堵して、千香もココアを手に取った。
「あたたかい……」
一口飲んで大きく息を吐いた千香を見て、ゆっくりと町田は先ほどと同じ言葉を繰り返した。
「千香ちゃんが泣いてるのは俺のせいだってうぬぼれていい?」

(今はもう泣いてないけど……)

そう思ったが、千香は俯いたまま頷いた。
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