【11/7改訂版】お願いダーリン! ~大好きな上司に片思い~
「美味しい!!」
ホッとする出汁と、卵の優しい味の雑炊に結花は感嘆の声をあげた。

「お前って本当に、いつも幸せそうに飯食うよな」

「どうせそれだけがしか取り柄ないですもん」

すでに食べ終わって、頬杖をつきながら結花を見ていた晃を、結花は少し恥ずかしさを隠すように睨む。

「そんな事言ってないだろ?」


「でも……先輩も元気出してくださいね!」
それだけ言うと、結花は雑炊を口に入れると「熱っ!」と声を上げた。

「大丈夫かよ?……俺は元気だぞ?」
そう言った晃の顔をチラッと結花は見た。

その表情からは、なにも晃の感情は読み取れず、結花は言葉を濁した。

(噓……塔子主任がニューヨークに行ってから元気ないじゃないですか。私の好きを舐めないでくださいよ)

そんな事を思いながらも、結花はそのことに触れる勇気はなかった。

「……そうですか?ならいいですけど……」
すぐに目線を逸らして下を向いた結花に、晃も何か言いたそうな表情を見せた。

「お前って……。嫌、なんでもない」
しかし晃はそれだけ言うと、コーヒーを口にした。

(知ってますよーだ。主任がどれだけ塔子主任を好きだったかなんて……)



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