【11/7改訂版】お願いダーリン！ ～大好きな上司に片思い～

食べ終わり結花は晃の車で10分の距離の、自分の家へと送ってもらい、車の外から晃を見た。
「じゃあ、また会社でな」

「はい。ありがとうございました」

「いや、今回は俺の監督不行きだから気にすんな。それより、お前男いないの？泊まったりして誤解されたら、きちんと説明するから言えよ」
真顔でとんでもない事を言う晃に、結花はズキッと胸が痛む。


「そんな人いないので大丈夫です！！」
声を大きくして言った結花に、晃はクスクス笑うと、
「そんな大声でいう事じゃないだろ、早く男でも見つけろよ」
そう言い残し、車は結花の前から走り出した。

（主任のバカ……。そんなこと言わないでよ……）

今までの幸せな気持ちが一気に吹き飛び、角を曲がって車が見えなくなっても、結花はその場所に立ち尽くしていた。


結花の家は６階建てのマンションの３階だ。

1Ｋのシンプルな造りの部屋。
部屋の中心はベッドがしめ、その前にテーブルが置いてあった。

キッチンの前にはカウンターがあり、椅子が２つ。

そんな見慣れた風景に、結花は小さく息を吐くと、シャワーをぱっと浴びて着替えて急いで家を出た。

（今更こんな事でめげない。さあ、今日も頑張ろう）

気持ちを切り替えると、家を後にした。