【11/7改訂版】お願いダーリン! ~大好きな上司に片思い~
手をひらひらさせながら戻る武田に、結花はホッと息を吐きだす。

「おい、小松。ちょっと!」
いつもより低い晃の声に、結花はビクリと肩を揺らした。

「……主任?どうしました?」
晃のデスク前まで戻ると結花は、伺うように小さく問いかける。

「お前さ。なんで武田からの依頼があること俺に言わなかった?」
晃はデスクの上で両手を組み、睨むように下から結花を見据えていた。

「なんでって……。主任の依頼も大切な案件でしたし……」

「バカか!」
いきなり怒鳴られ結花はギュッと目を瞑った。

「すみません……」

俯いた結花に、晃は大きくため息をついた。

「仕事を把握するのが上司の役割だ。今回みたいな仕事の仕方は二度とすな。いいな」
「はい……。申し訳ありません」

今にも涙が溢れそうな結花に、晃は表情を緩める。
「昨日みたいにお前が倒れた方が困るだろ?……怒鳴って悪かったな。もう戻れ」

優しい顔で微笑んでいる晃を見て、結花は涙が落ちそうになるのを何とか止めると、ぺこりと頭を下げた。


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