【11/7改訂版】お願いダーリン! ~大好きな上司に片思い~
二人は話しながらビルを出ると、少し路地に入った蕎麦屋に向かう。

【そば処 露庵】 

営業中の看板と共に、お昼時という事もあり少し並んでいた。
最後尾に2人は並ぶと、店の入り口にあるお昼のメニューを眺める。

「うーん、鴨汁南蛮も捨てがたいな……。結花は何にする?」
「確かに捨てがたいよね。私はどうしようかな……」
千香の言葉に結花ももう一度メニューに目を落とした。

5分ほどして、二人は店内の2人掛けの席に案内をされると、それほど大きくはない店内は、お昼時のサラリーマンやOLでにぎわっていた。

注文を済ますと、千香はお茶を一口飲むと結花を見た。

「で?樋口主任とどうなのよ?」

「どうって。どうもないよ」
ごまかすように視線を逸らした結花に、千香は大きなため息を吐く。

「樋口主任、このごろ今までに増して人気よ。いいの?」

「いいのって言われても……」

樋口晃 28歳 この会社の中核である海外事業部の主任に20代で抜擢されるほどの優秀な人だ。
そしてさらに、180cm近い身長に、切れ長な瞳とサラリとした黒髪、クールな印象を持つが、とても優しい性格の晃は女子社員からの人気も高い。



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