【11/7改訂版】お願いダーリン! ~大好きな上司に片思い~
エレベーターに乗って1階に降りた所で、結花は目の前に現れた女の人に目を奪われた。
長い漆黒の髪、真っ黒な瞳に吸い込まれそうな妖艶な人。
そしてその彼女は、ニコリと綺麗な笑顔を浮かべ、真っすぐに晃を見つめた。

「樋口主任、お疲れ様です」

「大脇、お疲れ。遅いな」

「はい。フロアに携帯を忘れてしまって。主任は終わりですか?」

「ああ」
その人は綺麗な笑顔を晃に向けた後、ちらりと自分に視線を向けられたことを結花は見逃さなかった。

「気をつけて帰れよ」

「はい」

(好きなのかな。あの人も……)

「行くぞ」
結花は晃に声を掛けられ、大脇に一礼すると晃を追いかけた。


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