【11/7改訂版】お願いダーリン! ~大好きな上司に片思い~
あの後、ずっと笑顔を絶やさない結花に、晃はなぜか複雑な気持ちになった。

「主任、これとてもおいしいです。どうぞ」

意外にもいつものように晃が取り分けたり、面倒をみなければいけないと思っていたが、そんな晃の先回りをしてそつなく、当たり前のように料理を取り分け、店員にも大人な対応をし、マナーもしっかりしていた結花を見て晃は驚いた。

晃の中では、今でも、高校3年の時のショートカットにバスケットのユニフォームの結花のままだった。

(俺は、今の小松を見ていなかったのか?)

仕事でも面倒を掛けられている印象だったが、言い訳もせず、状況をきちんと自分で判断し、やるべき事をきちんとやっている結花をきちんと評価していたか、晃は自問自答していた。

「主任……」
外に出て、財布をだした結花を見て、晃は苦笑する。
「今日はおごるっていっただろ?」
「でも……」

「こういう時は、大人しくごちそうさまでしたでいいんだよ」

「本当ですか??じやあ……ごちそうさまでした。美味しかったです」
嬉しそうな笑顔をした結花に、晃も温かい気持ちになり微笑んだ。
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