【11/7改訂版】お願いダーリン！ ～大好きな上司に片思い～

「樋口主任！町田主任！お昼ですか？よろしければここどうぞ」
明るい声でにこやかに笑う大脇の視線の先には、珍しく社食に現れた、晃と晃の同期の町田要がいた。

当たり前のように自分の席の横を開けた大脇に、晃と要も「ありがとう」と促された席に腰を下ろした。

その様子を見ていた千香は、眉根を寄せると結花に顔を寄せた。
「なるほどね。また相手が悪いわね……。よりによってまたあのタイプか……」

「でしょ」
結花も苦笑いをすると、ご飯を口に入れたが、諦めて箸を置いた。

「塔子先輩より、女の武器使いそうで余計に厄介そう…。あっ、ごめん」
しまったという顔をした千香に、結花は小さく首を振った。

「いいよ。わかってる。昨日主任といる時に、あの人に会って思いっきり品定めされたもん。鼻で笑われた気分だった。でも、塔子先輩なら納得だけどあの人はなんか……。」
小さくため息をついて言葉を濁した結花に、千香は柔らく微笑む。

「結花は結花だよ。ほら午後からまだ長いよ。食べないと」

「うん、ありがとう」
千香の言葉に、結花はご飯を無理やり口に入れ、お茶で流し込んだ。