【11/7改訂版】お願いダーリン! ~大好きな上司に片思い~
少しして、結花は痛みと寒さで意識朦朧としてきたところで、自分を呼ぶ声と頬を温かい感触が包んだ。

「主任……」
うっすら開けた目に、心配そうな瞳が見えた。

「小松、大丈夫か?」
タオルにくるまれ、カッパを着せられる。
自分で着ることもできず、されるがままになっていた。

「小松、乗れ」

「え!でも私濡れてるし、よごれてます」

「いいから!」
強い口調で言われ、結花はおとなしく晃の背中に乗った。

「さっき来るとき、山小屋が近くにあったからそこで、救助を待とう」

そう言うと、晃は結花を背負い歩き出した。

晃の背中で結花はようやく、安堵して、涙が落ちるのを必死に隠した。

「小松。大丈夫か?」
優しくかけられた言葉に、結花はぐっと涙を堪えて言葉を発した。

「主任っ、本当に迷惑…かけてすみません……」

「そんなこと気にするな」
晃の言葉を涙を押し殺して聞いていた。
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