【11/7改訂版】お願いダーリン! ~大好きな上司に片思い~
駐車場から少し歩くと、目の前にチケット売り場があり、結花は慌てて購入しに行こうと走り出したところを、後ろからグイっと腕を掴まれ足を止めた。
「お前、ここにいろよ」
そう言うと、晃はチケット売り場に向かった。
「主任!お礼なんで私が買ってきます!」
慌てて後を追った結花に、少しイジワルそうな微笑みを浮かべながら晃は指で結花の額をはじいた。
「子供にそんなの払わせられないだろ?」
晃はそう言うと、チケット売り場に行ってしまった。
(子供ってなによ……)
結花は今の言葉に少し傷つきながらも、晃の後姿を見送った。
心の中で少しぼやくと、慌てて首を振った。
(どうであれ、せっかく主任が連れてきてくれたんだから、楽しまなきゃ。それに、主任を失恋気分から楽しい気分にさせなきゃ!)
結花は気持ちを切り替えると、切符を持って戻ってきた晃に笑顔を向けた。