【11/7改訂版】お願いダーリン！ ～大好きな上司に片思い～

「ありがとうございます。お父さん」
結花はふざけて言うと、晃は少し不機嫌そうに顔を歪めた。

「何だよ。お父さんって……さすがにまだ父親の年齢じゃないだろう？」

「だって子供って言ったから、親子遠足かなって！」

「お前は……」
呆れたような晃の視線に、調子に乗りすぎたかと結花は少し俯いた。

「ほら、入るぞ」



その言葉とともに、温かい晃の手に自分の手が包まれ、慌てて結花は手を放そうとした。

「親子遠足なんだろ？」
晃はさらっと言うと、結花の手を握ったままゲートをくぐった。

ドキドキとなる自分の鼓動がうるさくて、結花は何も言えないままなんとか足を踏み出した。