【11/7改訂版】お願いダーリン! ~大好きな上司に片思い~
しかしその雰囲気を壊すように、結花は水槽に目を向けると、晃に明るく声をかける。
「主任!こっち来て!ペンギンいますよ。あのペンギンと、あのペンギンカップルですかね?いいな」
「なあ?お前、好きな人もいないの?ペンギンをうらやましがるなんて」
さらっと言った晃に結花はズキッと胸が痛んだ。
(本当に私は恋愛対象外なんだな……。あんなに好きって言ってるのに)
ざわつく心をなんとか沈めると、結花は言葉を選ぶように晃を見つめた。
「いますよ。好きな人」
あまりにも真面目に言い過ぎたのかもしれない。
どういっていいのか返答に困っているのであろう晃に、結花はすぐに晃に笑いかけた。
「そろそろ、ショーですかね?主任?」
そのまま一日楽しく結花は最後かもしれないと、晃とのデートを楽しんだ。