【11/7改訂版】お願いダーリン！ ～大好きな上司に片思い～

「まあ、そうだけど」
煙草を灰皿に押し付けると晃は言った。

「お前のタイプは塔子みたいな女だもんな？結花ちゃんみたいな子は子供に見えるんだ？」
町田のその言葉に、晃は少し考えるようにピザを取る手を止めた。

「ああ、大脇とかは？あの子お前に絶対気があるし…。お前もそろそろ次の女探せよ。まだ塔子に未練があるのか？」
ニヤリと笑っていう、町田の言葉に晃は複雑な気持ちが渦巻いた。


（確かに、最近塔子の事を思い出すことなんてなかったな。大脇か……確かに俺のタイプのはずだよな……）

「塔子に未練はないよ」
晃はそれだけを言うと、ビールを一気に煽った。

「そっか。ならいいけど。大脇は塔子と同じで仕事できるし、いいんじゃない？それとも……結花ちゃんの方がいい？」

「まさか。なんで俺が小松を」
町田の意味深な言葉を、晃はすぐに否定する。

（大脇の話はともかくなんで小松の話なんだよ。あいつの事は可愛いが、それは後輩としてだ）
自分自身に言い聞かすように、心の中で言う晃をよそに、町田は楽しそうに言葉を続ける。

「じゃあ、俺結花ちゃんデートに誘ってみよ」

「好きにすればいいだろ」
晃は表情を変えずに言うと、たばこに火をつけた。