【11/7改訂版】お願いダーリン! ~大好きな上司に片思い~
「今日は先約があって…。」
少し言葉を濁した結花に、町田はサラリと言葉を続けた。
「なーんだ。ゆかちゃんも予定あるの?晃にも断られたんだよな……」

(主任も約束が……)
「そうなんですね。主任も予定とかあるんですね」
平静を装った結花は、意味ありげな町田の視線に気づきギュッと唇を噛んだ。
「大脇は積極的だからね」

「え……?」
ドサッという音と一緒にカバンの中の書類が外へと飛び出るも、結花はあまりにも衝撃的な事実に動けずにいた。

「結花ちゃん?俺なんかまずいこと言った?」
少しバツが悪そうに町田は結花の瞳を覗き込んだ後、しゃがみこみ結花のカバンの中身を拾い始めた。
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