【11/7改訂版】お願いダーリン! ~大好きな上司に片思い~
「送ってくよ」
「そんな!申し訳ないので大丈夫です」
「いいよ。タクシーで少し遠回りするだけだし」
町田の優しさに結花は少し微笑んだ。
タクシーを拾うため、2人は大通りへと向かって歩いていた。
「ねえ、結花ちゃん。やっぱりあんな鈍い男止めなよ。俺の方がきっと結花ちゃん楽しいと思うよ」
綺麗な微笑みを浮かべて町田は笑った。
「ふふっ、町田主任ホント軽いですね。全然本気じゃないのに」
そう言った結花に、町田は頬にチュとキスをした。
結花は慌てて頬に手を当てた。
「隙あり。ちょっとは俺の事意識した?」
子供のような町田の笑顔に、結花は怒るのも忘れて一緒に笑っていた。
「じゃあ、お疲れさまでした。そしてごちそうさまでした。」
先にタクシーを降り、結花はタクシーの中の町田を覗き込んだ。
「いいって。付き合おうって言ったでしょ?隙あらばだから気にしないで」
ニコリと笑うと町田はひらひらと手を振った。
そんな町田のタクシーを結花は見送った。