その甘い声は私だけに。
再婚!?


今、私の前にはニコニコと笑うお母さんととてつもなく顔の整った知らない男の人。



今から30分前。


家に帰るとなんだか上機嫌なお母さん。

「琴子遅いわよ~!」

そう言いながらもニコニコと笑っている。

「ごめんごめん!お母さん機嫌いいね、何かあった?」

私がそう聞くと待ってました!という顔をして

「まぁまぁ座って座って~」とソファに座らされた。


「お母さんね、再婚するの!」

「……」

「琴子?聞いてる?」

「えぇぇぇぇぇーーーーー!!」

「なにそんな大きい声出してるのよ」

「出してるのよじゃないよ!出すよ!再婚!?相手は!?なんで!いつからいたのそんな人!!」

私は聞きたいことがありすぎてお母さんに質問攻め。

「1年くらい前かな~」

「1年!?」

1年もよく娘に隠し続けて来ましたね。お母さん。
お母さんは私が言うのも変だけど、とっても可愛いくてスラッとしててとても40歳には思えない。たまに見せる天然っぷりがまーた可愛いの。

「でね!その人が今から来るから琴子会ってくれる?」

え、今の空耳かな。


「ええぇぇぇぇぇぇーーー!!!!」


私はさっきよりも大きい声を出してしまった。

「だって真哉(しんや)さんが来てくれるっていうから♡」

「し、真哉さん!?」

「再婚する人の名前、真哉さんって言うの」

「え、でも急に会えって言われても緊張するな~」

「大丈夫よ!真哉さんいい人だから!」


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