その甘い声は私だけに。
「どーお!?真哉さん!カッコいいでしょ!」
そう自慢げに話すお母さんは本当に可愛い。
「琴子、勝手に決めてごめんなさいね。でも琴子もお父さんって呼べるような人がほしかっでしょ、ずっと。」
そう、ほしかった。
私のお父さんは私が小さい時に交通事故で亡くなってしまった。
「琴子。再婚認めてくれる?」
「うん、私はお母さんが幸せならそれでいいよ。ありがとう、お母さん。」
私はそう言ってお母さんに抱きついた。
「ありがとう、琴子。」
お母さんは少しびっくりしながらもギューッとしてくれた。