神木部長、婚姻届を受理してください!


「あ、立川ちゃん」

「西内さん」

 初めての聡介さんとのご飯デートから、気づけば四日が経っていた。大きな特注設計の案件が入って来たことにより、社内は比較的バタバタしており、空気もピリピリし始めている。

 そんな中、余裕そうな笑顔を浮かべて私に声をかけて来たのは西内さんで、彼は大量の資料を抱えながら私の向かいに立ち止まった。

「お疲れー」

「お疲れさまです」

「最近、バタバタしてるよね。事務の方も、資料のコピーとか雑務忙しいでしょ?」

「はい……ちょっと、忙しいです」

 毎日、設計担当者が設計した図面のコピーと、現場へその資料を提出するという業務を繰り返し、それに加えて通常業務もいつも通りこなさなければならない。コピーはやはり時間がかかるし、その量も尋常ではなく私は気が遠くなってひまいそうだった。

「でも、西内さんも忙しいですよね? 今回は大きな案件だし、他の案件対応もされてますし。昨日も終電まで残ってたって聞いたんですけど、無理しないでくださいね」

「はは、心配してくれるんだ? それは、嬉しいな。まあ、でも、今日は用事があって定時で帰るから、お言葉に甘えてゆっくり休むことにするよ」

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