涙と呼ぶには烏滸がましい
15の時に突然に弾けたそれは
両手で一生懸命掻き集めても
二度と集まることはなく
僅かばかり掬えても直ぐに
指の隙間からスルスルと
スルスルとこぼれ落ちた

突如心にのしかかってきた重石に
少しでも軽くなればと
来る日も来る日も
目から水を流す
誰の為でもない自分の為に
ただラクになりたくて
涙と呼ぶにはあまりにも烏滸がましい

誰のせいでもない
誰かのせいにしたいわけじゃない
残ったのは
大人たちへのやつあたりと
自分の無力さ
いや、無力という言葉の意味すら
理解出来ていない幼稚さ

時がたくさん流れ
あの時より少しは上手く
掬えても
あの時から
キミはいない
どこを探しても
キミはいないんだ

そう思うと漸く熱いものが
目からこぼれ落ちた
キミに届いただろうか
少しは

それでもやはり涙と呼ぶには
まだまだ烏滸がましい気がする
自分の為に流すそれは

あの夏祭りの日に
キミはどんな思いで
騒いでたのかな
全くいつもと一緒で分かんなかったよ
バカみたいに騒ぐのはキミの
一番のキミらしさだったから

また夏祭りがやってくる
あの暑い夏がやってくる

あの日、
バイバイだけじゃなくて
またねって
また明日ねって
なんで言えなかったんだろうね

きっと
この重石が外れることは
ないんだろうな

今も流れるこれを
涙と呼ぶにはやはり烏滸がましい
気がするよ

って言うとキミはきっと
「俺、アホだから難しいことわからんわ」
そう言って笑い飛ばすんだろうね
「烏滸がましいとかってなんやねんそれ」って

さぁ、そろそろ終わりにしよう

伝えたいことは書き記せた
だから今更だけど言うね

バイバイ、またね





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