光~明るいほうへ~
天国か地獄か
夜のとばりが下りている中、煌々とした明かりがものすごいスピードでこちらへ向かってきている。
光と闇の存在から逃げるように夜の街を彷徨い、気づけばここにたどりついていた。
もう少しで私の肉体も散り散りになる。
その時には、誰か私の死を哀しんでくれるだろうか。
そりゃあ、一人や二人悲しんでくれるかもしれない。
けれど、時間の経過とともに風化されていくだろう。
さようなら、お父さんお母さん。
汚らわしい子どもでごめんなさい。
あなたたちも、私がこの世からいなくなれば、きっと悲しんでくれるでしょう。
だけど、こんな醜い存在の私があなたたちの子どもとして生き続けてはいけないと思うのです。
できることならば、清らかな人間で生きたかった。
明夫、中学の時はごめんなさい。
あなたに恥をかかせてしまったね。
私なんかと知り合って、私なんかと付き合って。
嫌な気持ちにさせてごめんね。
あなたと再会できて嬉しかった。
あなたに恥じない人間として生きたいと願ったけれど、やっぱりそういうのは虫がよすぎたんだね。