ここにはいられない
◇ ◇ ◇
朝食のメニューは私の勝手な事情で卵粥にさせてもらった。
中華だしと干し椎茸で中華風にしたので、同じような出汁に生姜を加えて冷凍餃子でスープも付けた。
味見をしてみると身体がポカポカして効きそうな気がする。
気温の高さと身体の冷えは別物かもしれない。
「・・・おはよう」
ぼやーっとした声がして振り返ると、目が半分しか開いていない千隼がTシャツとハーフパンツスタイルで立っていた。
「おはよう。ちょうどご飯できたよ」
お茶碗とお椀に盛りつけてテーブルに運ぶと、千隼はまだぼんやりした様子で同じ位置に立っていた。
「どうしたの?寝不足?」
「・・・・・・昨日の夜、トイレに起きたよね?」
「うん。何回か起きちゃった。あ、もしかしてうるさかった?」
「・・・いや、大丈夫。・・・多分」
まだぼんやりしたままだったけれど、千隼は座ってきちんと手を合わせた。
「いただきます」
「いただきます」
静かだけれど朝特有の騒々しさを感じるこの時間にすっかり馴染んでしまった。
もう何年も続いてきた味気ない生活を、たった2週間で忘れそうだ。
千隼との共同生活が予想より気楽だったのは、基本的に生活がすれ違っているから。
朝は私が先に起きて簡単な掃除(もちろんトイレ掃除を含む)をして朝ご飯を作る。
千隼が起きてきて一緒にご飯を食べた後、私は自宅で洗濯物を干してから出勤。
帰宅後は晩御飯を作って一人で食べてから、自宅でお風呂に入る。
この前後で千隼が帰って来て私が作った晩御飯を食べるのだけど、お風呂から戻った私は寝室に引き上げて寝るまでの時間を過ごしていた。
同じ空間だけど、時間帯でルームシェアしているイメージ。
土日は私も出掛けたり、自宅で引っ越しに向けた作業をしたりしているけど、千隼は基本的に職場に出て終わらなかった仕事を片付けているらしい。
私と千隼がまともに顔を合わせるのは、この朝食の時間くらいのものだった。
朝食のメニューは私の勝手な事情で卵粥にさせてもらった。
中華だしと干し椎茸で中華風にしたので、同じような出汁に生姜を加えて冷凍餃子でスープも付けた。
味見をしてみると身体がポカポカして効きそうな気がする。
気温の高さと身体の冷えは別物かもしれない。
「・・・おはよう」
ぼやーっとした声がして振り返ると、目が半分しか開いていない千隼がTシャツとハーフパンツスタイルで立っていた。
「おはよう。ちょうどご飯できたよ」
お茶碗とお椀に盛りつけてテーブルに運ぶと、千隼はまだぼんやりした様子で同じ位置に立っていた。
「どうしたの?寝不足?」
「・・・・・・昨日の夜、トイレに起きたよね?」
「うん。何回か起きちゃった。あ、もしかしてうるさかった?」
「・・・いや、大丈夫。・・・多分」
まだぼんやりしたままだったけれど、千隼は座ってきちんと手を合わせた。
「いただきます」
「いただきます」
静かだけれど朝特有の騒々しさを感じるこの時間にすっかり馴染んでしまった。
もう何年も続いてきた味気ない生活を、たった2週間で忘れそうだ。
千隼との共同生活が予想より気楽だったのは、基本的に生活がすれ違っているから。
朝は私が先に起きて簡単な掃除(もちろんトイレ掃除を含む)をして朝ご飯を作る。
千隼が起きてきて一緒にご飯を食べた後、私は自宅で洗濯物を干してから出勤。
帰宅後は晩御飯を作って一人で食べてから、自宅でお風呂に入る。
この前後で千隼が帰って来て私が作った晩御飯を食べるのだけど、お風呂から戻った私は寝室に引き上げて寝るまでの時間を過ごしていた。
同じ空間だけど、時間帯でルームシェアしているイメージ。
土日は私も出掛けたり、自宅で引っ越しに向けた作業をしたりしているけど、千隼は基本的に職場に出て終わらなかった仕事を片付けているらしい。
私と千隼がまともに顔を合わせるのは、この朝食の時間くらいのものだった。