今年の夏もキミを想う…。

本人よりずっと存在感を放つその鳥のあとを、三人は黙々とついていった。

見失って迷子になる心配はなさそうだが、いかんせん足元の悪さは、光る鳥でもどうしようもない。


「っあ……!」

「うおっと!?大丈夫?ゆずちゃん」

「す、すいません……」


よろけた柚花が咄嗟に高知の背中にしがみつき、真っ赤になって頭を下げる場面が幾度かあり。


「わっ!?」

「ちょっ!気をつけてよ」

「……悪い」


突然起き上がった草に足を取られた宮崎が前のめりになったのを、和果子が支える場面もあったりして、四人は賽銭箱の前まで戻ってきた。
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