今年の夏もキミを想う…。
「すいません、高知さん……何度も何度も」
「いいよ、全然!それよりゆずちゃん、足大丈夫?怪我とかしてない?」
「宮崎さ、町の子になってから前より軟弱になったんじゃないの?足腰とか」
「俺はおじいちゃんか!」
賽銭箱の前でやいのやいのと言い合っていた四人は、しばらくして、示し合わせたように黙り込んで空を見上げる。
相変わらず、綺麗な星空が広がっていた。
「あーあ、夏休みが終わっちゃうよー」
「やめてくださいよ、先輩。まだ現実と向き合いたくありません」
「だから宿題は早めにやれって言ったでしょ」
「なんで現実=宿題なんだよ」
「オレ、宿題は最初に終わらせる派ー」
「そういうとこだけ真面目ですよね、先輩は」
「そもそも宿題ってのは、毎日コツコツやるものでしょうが」