今年の夏もキミを想う…。
「海でスイカ割りなんて、すっごく夏っぽいよね。うん、オレは今、とてつもなく夏を感じている!」
「……それはなによりです」
宮崎の気のない返事にもへこたれず、クーラーボックスに丁寧にスイカを戻すと、高知はチラリと後方を伺ってから、グッと宮崎との距離を詰めた。
「ちょっと先輩、くっつかないでくださいよ。ただでさえ暑いん……」
「和果子ちゃんさ、どんな水着を着てくるのかな」
ワクワクした様子であれこれと想像を膨らませている高知に、夏祭りの浴衣の時にも同じような話をした覚えがある宮崎は、呆れたようにため息をついた。
「宮崎ってば、自分はそんなの興味ありません、みたいな顔してクールに決めてるけど、男としてそれはどうなの!」
「別にクールに決めてません。いいじゃないですか、興味あるもないも、個人の自由です」
「男は所詮、水着好きでしょ!そういうものでしょ!!」
「全国の男性に謝ってください」
段々と白熱してきた高知が、宮崎との間にある温度差など完全無視で、水着の良さについて熱く語り始めたとき……。
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