今年の夏もキミを想う…。

和果子が、そうだねと言いかけた時、遮るようにインターホンが鳴った。

次いで、ガチャりとドアが開く。


「しまった!鍵……」

「みーやざーきくん!」


宮崎が慌てたように腰を浮かすと、玄関の方から聞き慣れた声が聞こえてくる。

居留守を使う間も、姿を隠す間もなく。


「雨が止んだから、遊びに来たよー」


高知が元気よくリビングに現れた。

そしてテーブルの上の皿と、和果子の姿に目を止めて、大口を開けたまま動きを止める。


「こんにちは、先輩」


和果子の声に我に返った高知は、こそこそと逃げようとしていた宮崎の首に腕を回して捕まえる。


「なんで呼んでくれないの!呼ぶでしょ普通!てか呼んでよ!!二人でこっそり遊んでたとかずるいー」

「せ、せんぱい……苦し……」


ぐいぐいと首がしまって苦しさに喘ぐ宮崎と、それでもやめない高知の脇から、「お邪魔します……」と遠慮がちな声がした。
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