今年の夏もキミを想う…。
「宮崎は全く、反抗期な弟だな。ゆずちゃんみたく、素直な子になりなさい」
「弟じゃありませんから」
宮崎がどんなにムスっとして言い返しても、高知には全く不機嫌さが伝わらない。
「あれ……でも宮崎が弟で、ゆずちゃんが妹で、そうなると必然的に和果子ちゃんも……ってことはあれ!オレ、いつの間にか長男になってる!?」
「だから、先輩の妄想家族に、勝手に俺を加えないでください」
「オレも、弟がいいな。長男ってなんかやだー」と意味のわからない駄々をこね始めた高知に、宮崎が呆れて深々とため息をつくと
「そういう事なら、私が皆のお姉ちゃんだね。高知くんも、これで弟だよ。だって、私が一番上のお姉ちゃんだもの!」
彼女が朗らかな笑顔を浮かべてそう言ってのけた。
一斉に視線を向けた二人に、だってそうでしょ?と言わんばかりに彼女がにっこり笑ってみせる。