今年の夏もキミを想う…。
きっと高知も、一緒に来たかっただろうな……という思いが、不意に宮崎の胸に湧き上がった。
誰よりも、夏とこの村が好きで、何よりも、皆で遊ぶことが大好きな人だ。
今頃大学で特別講義を受けながら、きっと悔しがっているに違いない。
不意に「いただきます……」と声がして、柚花がオレンジジュースのプルタブを開ける音が聞こえた。
その隣では、和果子も同じようにプルタブを開けている。
そう言えば昔、柚花は缶ジュースのプルタブがうまく開けられなくて、よく高知に開けてもらっていたな……と思いながら、宮崎もまたカゴから取り出したオレンジジュースのプルタブを開けた。
ぷしゅっと微かな音がして、オレンジの爽やかな香りが溢れてくる。
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