今年の夏もキミを想う…。
「わかり易すぎなのよ、あんた」
ため息混じりに呟いた和果子に、宮崎が所在無さげに視線をそらす。
「ほんと……あんたって日向さんの事ばっかり」
ぼそりと聞こえた微かな声に、宮崎は視線を戻す。
よく聞き取れなかった言葉を聞き返すより先に、和果子が再び口を開いた。
「どうせ作りすぎたんだし、もう一本持ってくるから、日向さんに送ってあげたら」
「いいのか!?」
先程までのほんの少し気まずい雰囲気を打ち払うように、宮崎が目に見えて嬉しそうに笑う。
その様子に、和果子は僅かに表情を曇らせたが、それも一瞬のことで、宮崎が気づく前にすぐ元に戻った。
「夏バテの辛さは、あたしもよくわかるし。基本は、とにかく水分しっかり取って、でも体は冷やしすぎないように。食べられる時にはしっかり食べて、ゆっくり休む事だけど……日向さんはそうも言ってられなさそうだから」
「ありがとな、和果子。あいつも喜ぶよ」