今年の夏もキミを想う…。
「そんなに笑うことないだろ」
恥ずかしさをごまかすように、宮崎がやや不機嫌そうな表情を浮かべれば、和果子がまた可笑しそうに笑った。
「宮崎ってさ、昔からクリーム系のお菓子食べるの下手くそだよね。シュークリームも、ショートケーキも。ああ、ソフトクリームもだっけか」
明らかに小馬鹿にしたような笑みを浮かべる和果子に、宮崎は言い返す事もできずに、ただただ不機嫌全開でそのニヤニヤした顔を睨みつける。
苛立ち紛れにシュークリームにかぶりつけば、また脇からたっぷりのクリームが溢れ出して、更に和果子の笑いを誘った。
「笑いすぎだろ」
ムキになって言い返せば、スッと伸びてきた和果子の指先が、宮崎の鼻についたクリームを拭いとっていく。
「どうやったらこんなところにクリームつけられるわけ?」
指についたクリームを見せて、尚も可笑しそうに笑い転げる和果子に、和果子の祖母もまた、二人の後ろでころころと楽しげに笑い、布巾を取りに立ち上がった。