今年の夏もキミを想う…。
――「迷ったときはね、直感で道を選ぶの。そうしたらね、案外何とかなるものなのよ」
そう言って楽しそうに笑った彼女に、宮崎は呆れたようなため息を返した。
「直感で選んで、更に救いようがないくらい迷ったらどうするんだよ」
「最終的には、誰かに道を聞くとか、思い切って助けてーって叫んでみるのもありだと思うわ」
ショートパンツからすらりと伸びた彼女の足が、突然左右に、にゅっと突き出される。
「おい、バタバタするなよ」
思わずドキっとしてしまったのを悟られないように、宮崎はムスっとして注意し、彼女の足から視線も意識もそらす。
「迷子になるって凄く不安よね。一人ぼっちの時なんて特に。でもね、直感とか記憶とか、とにかく自分を信じて進んでみれば、正解にはたどり着けなくても、思いがけない素敵なものに出会えちゃうことだってあるの」
「正解にたどり着けなかったら意味ないだろ」
ふふっと楽しげに笑った彼女は、腰に巻きついていた腕を片方離して、スッと斜め前を指差す。