今年の夏もキミを想う…。
「お待たせ」
ドンッと威勢良くテーブルを叩く音に、仰向けで寝転がっていた宮崎はビクッとして体を起こす。
「……どうしたんだ、和果子。何かさっきより鼻が赤くないか?あと目の周りも」
「……気のせいよ。あっ、あとこれ」
尚も不思議そうに顔から視線を離さない宮崎に、和果子は半分に折りたたまれた紙を差し出して意識をそらす。
案の定、宮崎の興味は直ぐにその紙へと移った。
急いで書いた為少々雑だが、それでも読める程度の丸っこい文字がそこには並んでいる。
「それ、作り方ね。簡単だからすぐにできると思うし、ついでだから一緒に送ってあげたら」
「おおーサンキューな、和果子」
嬉しそうに笑って丁寧に紙を折りたたんだ宮崎は、それを手紙が入っているのと同じポケットにしまった。
「じゃあ用事も済んだし、俺そろそろ帰るわ」
「……そう」
瓶を抱えて立ち上がった宮崎に、和果子が残念そうな声を漏らす。