今年の夏もキミを想う…。
――「宮崎くん、タイムカプセルって知っている?」
彼女を乗せたブランコが、ぶうんと音を立てて高く上がる。
枝葉の隙間から柔らかく差し込む光を顔に受けて、幹に背中を預けてのんびりくつろいでいた宮崎は、怪訝な顔で戻ってきた彼女を見やった。
「思い出の物を箱とか何かに詰めて、土に埋めといて何十年後かに取り出すタイムカプセルなら知ってる」
「そう、それ」と言って笑った彼女を、またブランコが高々と空に押し上げる。
惜しげもなく晒された素足が、目に眩しかった。
「それをね、やりたいの」
「今?」
「今度五人で集まった時!」
ブランコが高くあがるたびに、彼女の声が切れ切れに遠くなる。
「いつだよ、それ……」
「いつだろうね!」
楽しそうに声を上げて笑って、彼女が突然、勢いよく空へと体を投げ出す。
青い空に、彼女のシルエットが浮かび上がる。