今年の夏もキミを想う…。

確かにこの合宿中、どうしてもうまくいかなくて落ち込んだ時や、疲れてへたりこみそうになったとき、高知と一緒に撮った写真を見て癒されていたことは事実だ。

けれどまさかそれを、友人に見られていたとは、柚花は思いもしなかった。


「見たんじゃなくて、見えたの。たまたまね、後ろ通った時にチラッと」

「それは、見たというのでは……」


イジイジとペットボトルを手の中で弄ぶ柚花に、友人がずいっと身を寄せる。


「んで、彼氏じゃないなら誰なの?見た感じ年上でしょ、ってことは先輩?」

「やっぱり見てるんじゃない……!」


恥ずかしさで真っ赤になって俯く柚花に、友人は更に距離を詰める。


「もしかして、柚花が前に言ってたお隣さん?お隣に住んでる、小さい時からお世話になってたっていう」

「………」


沈黙を肯定とみなしたのか、友人が訳知り顔で頷く。


「なるほどね。あれは中々のイケメンだから、きっと競争率高いね」


俯いたまま、ビクッと揺れた柚花の肩を、友人がバシっと力強く叩く。

その思わぬ肩の痛みに、柚花はビックリして顔を上げた。
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