今年の夏もキミを想う…。
「柚花は、あんたは凄く可愛い!それに、努力家だ。いい加減自分に自信持って、思い切ってあたってみなくちゃ」
「……あたって、もし砕けたら?」
不安そうに見上げてくる柚花の肩を今度はがっしりと掴んで、友人は真剣な顔で言い切る。
「骨は拾ってあげる!」
そのあまりに真剣な様子と、放たれた言葉とのギャップに、柚花は思わずクスリと笑みをこぼす。
「あーもう、柚花ってば。あたしは真剣に言ってるのに」
「うん、ごめん。……ありがとう」
柚花はまだクスクスと小さく笑いながら、開け放たれた体育館の窓の向こう、そこに広がる空を見上げた。
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