今年の夏もキミを想う…。
「しゅんくんも、一緒に行くよね?もちろんだよね!」
「……僕も一緒だと、迷惑じゃないか?せっかくの里帰りなのに」
無防備に近づけてくる顔を間近で見つめて、男は冷静に問い返す。
最初は驚いたその行為も、慣れてしまえばなんてことはない。
「せっかくの里帰りだから、一緒に行くんだよ!夏はみんなで楽しまないとね」
「それに!」と楽しそうに続けた彼女が、近づけた顔を離して晴れやかに微笑む。
「彼に、紹介しないとだし。しゅんくんのこと」
「彼って、その手紙の子?」
「うん!」
手にした手紙を嬉しそうに眺めて、それから大切そうにギュッと胸に抱いて、彼女は幸せそうに笑った。
「私の大事な大事な、いとこの宮崎くんだよ」
きっと来年は、彼女のいる夏がやって来る。