今年の夏もキミを想う…。
「お前……肉ばっか食い過ぎ。野菜も食えよ、いい感じに」
「いい感じってどんな感じよ。それにね、お肉の人気がありすぎて途中で何度も買い足しに行ってたから、今は野菜より肉の方が余ってるんだから」
交流会も後半に差し掛かり、いい感じに腹の膨れた連中は、飲み物やお菓子を片手に話に夢中になっている為、どのコンロの前にもほとんど人がいない。
未だ肉を焼いてもりもり食らっているのは、高知と和果子くらいのものだった。
「帰り、全員にお土産でひとパックずつ持たせられるくらい余裕があるんだって」
「誰だよそんなに買ってきたの……」
横目に隣を伺えば、高知が皿に盛り上げていく肉を、柚花が嬉しそうに頬張っている。
しかし明らかに食べるペースは遅く、箸の動きも鈍りがちであることから、既にお腹は限界であろうと察せられた。
「先輩、宮崎が焼くの遅いので、あたしもそっちもらっていいですか?」
「おい」
「いいよ、いいよー。なんだ宮崎、お肉もいい感じに焼けないの?こういうのはね、テンポが大事なんだよ」